スパークリングワインとシャンパン
スパークリングワインとシャンパンの違い
日本人はスパークリングワイン=シャンパンと思いがちですが、この認識は間違っています。
実は、スパークリングワインの一種がシャンパンなのです。
日本ではいまだに、スパークリングワインのことをシャンパンと呼ぶ風潮がありますが、これは間違いなのをご理解いただけたかと思います。
正式には、フランスのシャンパーニュ地方で作られたスパークリングワインのことを、「シャンパン」と呼びます。
つまり、シャンパンというのは、ブランド名のようなものなのです。
一般的に、赤、白、ロゼなどの色がある一番なじみのある「普通のワイン」のことはスティル・ワイン、またはテーブル・ワインと呼びます。
「スティル」は、「静かな、しんとした」という意味で、つまり「発泡性ではない」ということを意味しています。
テーブル・ワインと呼ぶのは、その名の通り、食卓に並ぶお酒という意味です。
逆に、スパークリングワインはコルクを「パンッ」と空ける楽しさなどもあってパーティ向きと言えるのではないでしょうか。
「シャンパンはブランドだ」と書きましたが、シャンパンと言ってもいろいろあり、品質の低い、おいしくないシャンパンもあります。
逆に言うと、シャンパンという名前がついていなくても上質なスパークリングワインはたくさんあるということです。
ワインに限らず何事も、ブランド名に惑わされず、自分に合ったいいものを選ぶ審美眼を持ちたいですね。
スパークリングワイン 料理
スパークリングワインは、料理によって選択する必要のない「万能ワイン」と言われることがあります。
「万能ワイン」と言われる理由は、スパークリングワインは基本的にどんな料理とも相性がいいためです。
白ワインはこってりした肉料理に合わせると味が負けてしまいますし、赤ワインは魚料理に合わせると渋味や生臭さが気になるといったことがあります。
ところが、スパークリングワインは、炭酸が料理との味わいのバランスをうまくとるため、肉料理にも魚料理にもマッチします。
このことからスパークリングワインは、料理を選ばないと考えられています。
料理と合うワイン選びに悩んだときは、スパークリングワインを選べば失敗がないでしょう。
また、白ワインがベースであるスパークリングワインはミネラルを感じやすいため、魚介類など、海の食材と特によく合います。例えば、魚介のカルパッチョやパエリヤ、白身魚のクリーム煮などがあります。
また、酸味のあるスパークリングワインは、レモンなど酸味のある食材ともよくなじみます。
炭酸が口の中をさっぱりさせてくれるため、フリッターなどの揚げ物とも相性がよいです。
さらに、スパークリングワインには、食欲を増進させる効果があるため、食前酒としてもぴったりの、まさに「万能ワイン」です。
スパークリングワイン 飲み方
スパークリングワインは、適温に冷やすとベストな味わいになります。
その理由は、冷えたほうが炭酸が液体に溶け込み、泡立ちも美しくなり、おいしくいただくことができるからです。
抜けた炭酸はボトルの上部に溜まるため、冷やす際は、氷水を入れたワインクーラーなどで、寝かせるとよいでしょう。ただし、その際はしっかりボトル上部まで冷やすことがポイントとなります。
氷水にボトルをつけると、1分で1℃下がります。ちょうどよい温度に冷やしたいときに役立つ豆知識なので覚えておいてください。
辛口は6℃から8℃で飲みましょう。
フレッシュでスッキリした味わいの辛口を、キリッとおいしく飲める適温は6℃から8℃です。
逆に、甘口は4℃ほどがよいでしょう。
甘みが強いものの、酸味と甘みのバランスがよい状態になる温度が4℃くらいです。
味の濃淡で温度を変えるのも、ワインの楽しみ方のひとつと言えるでしょう。
また、スパークリングワインは、グラスへの注ぎ方で泡のもちが変わります。
「泡が命」と言われるスパークリングワインは、グラスを立てたまま注いでしまうと、勢いよく発泡し、泡のもちが悪くなるだけでなく、風味まで損なわれてしまいます。
グラスは傾けて持ち、グラスの側面を伝わせながら、グラスの7割くらいの高さまで、静かに注ぐのがコツです。