ボジョレーヌーボー
ボジョーレーヌーボーの特徴
今や日本でも風物詩となってしまった感のあるボージョレ・ヌーヴォー(Beaujolais Nouveau)。
解禁日である11月の第3木曜日には、至る所でボージョレ・ヌーヴォーを楽しむイベントが催されています。
元はその年に収穫されたブドウのでき具合を確認するための試飲酒でしたが、収穫後たった2カ月で飲むことができ、フランスで一番最初にその年のワインを楽しめるとあって、ボージョレ・ヌーヴォーはパリでも大人気になりました。
といっても、ボージョレ・ヌーヴォーという名前のワインが正式に誕生したのは今から62年前の1951年のこと。そして、解禁日が今のように11月の第3木曜日に定まったのは1984年のことで、まだ30年も経っていません。
1980年代後半と言えば、日本がバブル景気に湧いたころです。日本人はもともと江戸の頃より初物食いに熱狂するきらいがあったからでしょうか、時差の関係から最も早く解禁日を迎えるということで、ボージョレ・ヌーヴォーが大ブームとなりました。
空輸されるボージョレ・ヌーヴォーを求めて成田空港まで行く人が現れたり、フェラーリで店まで運んだり、日本中がボージョレ・ヌーヴォーに酔いしれましたね。
ルビーのような美しい赤とフレッシュな果実味が魅力のボージョレ・ヌーヴォーですが、使用されるのは軽やかでフルーティーな味わいのガメイという品種です。
このブドウの特徴を余すところなく引き出し、数週間で醸造するために、マセラシオン・カルボニックという特殊な製法が用いられます。これは粉砕して いないブドウを炭酸ガスを満たしたタンクに入れて急速に発酵させるやり方で、花やキャンディー、バナナのような香りが現れます。
醸造に時間をかけないがゆえに、ブドウの良し悪しがダイレクトに影響するボージョレ・ヌーヴォー。その出来によってその年のワイン全体の出来を推し量ることができるのです。
ブームが加熱する中で本当においしいの?おいしくないの?と物議を醸すこともありますが、お祭りのようなウキウキとした楽しい気分をもたらしてくれる点も、ボージョレ・ヌーヴォー大きな魅力の一つといえるのではではないでしょうか。